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 美なるもののすこぶる厄介な特質として、その鑑賞の対象が鑑賞者にとってあたかも自分の事のように感じられてしまうという点があると思う。美しいものは、あくまで主観に、観る/聴く…人の内部に火焔を生じる。簡単に言えば、憧れを生むのだ。そして、憧れはいつも身の程知らずで、尊敬と軽蔑を同時に自覚する。破廉恥な放埓漢が、不釣り合いにも極上の女を望むように。或いは、14歳の少年がヴァン=ヘイレンに憧れてギターを手に取るように。ギターに限らずとも、本当に優れた演奏者は精緻な技巧をいとも簡単に演じてみせることで聴衆の情欲を掻き立てる。美人に限らずとも、何かしらの美徳を兼ね備えた人物はその像を原型とする表象を多くの他者に有される。ヒーロー/ヒロイン的な表象。足の速いアキレウス、聡明なテレマコス、ほにゃらららなほにゃららら……

 

 色々書きたい事はあったけど、酔いが回って悲しくなってきたので今日はここまで。