2023-01-01から1年間の記事一覧

来迎

ときたま、特定の小柄な女性相手に、自分は何か特別な、恩寵のような感覚を覚える。別に少女性愛の趣味などではなく、むしろこの感覚は歳が同じかそれ以上の相手に対して覚えることが多い。身体の物理的な小ささがかえって<存在>の背景たる<世界>とその…

6/9

最近は報酬系がひどく狂うような悲しい出来事があって、そのせいか寝て見る夢だけが唯一の楽しみになってしまった。悲しい。己の生存圏とでも呼ぶべきパワーの領域が縮小し、自我の前線が著しく後退してしまったようだ。起きていても特に期待すべき喜びは無…

4/27

美なるもののすこぶる厄介な特質として、その鑑賞の対象が鑑賞者にとってあたかも自分の事のように感じられてしまうという点があると思う。美しいものは、あくまで主観に、観る/聴く…人の内部に火焔を生じる。簡単に言えば、憧れを生むのだ。そして、憧れは…

聖餐

あらゆる種のパーティーが苦手だ。便所で自殺したくなる。夜もまたひとつの太陽だとは云うけど、こんな太陽なら撃ち落としてしまえと思う。出来ない。近くで見ると、存外でかい。快楽の贈与によるコミュニケーションが出来る人々は、個体の輪郭を超えて一つ…

ロロロ

虚脱。倦怠。不在証明。今は一切気力というものがない。この言葉の不誠実さを見抜いてくれる人々の悩苦への誠実さを自分は尊ぶ。真に疲労しているなら机に向かう体力など有る筈なくましてや物書きなんてもっての外、という矛盾のことだ。しかし、嘔吐。これ…

träumend

こんな夢を見た(夢十夜)。 夢の中で夢を見ていた。どこかの病室。白い壁、白い寝台、白い布団。春めいた陽光が乳白色のカーテンを淡肌色に染めかける中、その華奢なからだは薄緑の入院衣に包まれて横たわっていた。顔立ちはよく思い出せない。ただ髪と肌の色…

生活はつづく

諸事情でボツになった自作ポップソングのタイトルを添えて…… 春休みに入ってから割と元気に暮らしている。起きて顔を洗い、白湯を飲み、軽い食事とコーヒーを胃に入れる。その後は本(最近は実用書が多い)を数種類同時進行で頭が痛くなるまで読み、頭痛に耐え…

20230119

コーヒーを飲んでいる時は、<自分はコーヒーを飲むために生まれてきた!>と思い、煙草を蒸かしている時は、<この一服の為に生きている!>と思い、ギターを弾いている時も、本を読んでいる時も、最近は大体全部そんな感じです。

トマトを投げたい

トマトが投げたい。正確には誰かと投げつけ合いたい。普段の倍くらいの快晴の下、代々木公園の爽やかな芝生の上、相手は壮健な男子大学生30人程か、或いは顔の平たくてツリ目で髪の短い女の人、その人自体が権威にならないような不美人で、トマトの赤が映え…

禁じられた季節

玉の緒よ、絶えろ! 願わくば、二度と貫くな! 数珠繋ぎになった思考、思考とも呼べない強迫観念のロザリオが、じわじわと己の首を絞めようとしている。その一つ一つが、口にするのも忌まわしい。この苦悩は、人に話すに忍びない。美形の女のしかめ面が恐ろ…