2022-01-01から1年間の記事一覧

茶番

本当に限界なので、脳内の人格とお茶をする事にした。電気ケトルでお湯を沸かし、急須代わりのガラスポットに茶葉のパックを放り込み、ペアの湯呑を一組用意する。この湯呑は昔、九十九島の土産屋で当時親密だった女性への真珠の耳飾りを買った際、店主の好…

唯心論の迷路

何だかここ最近は、上手に言葉を紡げないでいる。心の荒みをそのままに生活を送っているせいか、ことばの持つ微細で豊かな情感、詩情への感性がめっきり損なわれてしまった。その代わりなのか知らず、ここ数日は意地悪で解釈可能性に乏しい強い言葉ばかりが…

退屈の諸相(1)

とある潜在的な需要により……退屈とその対策について。 この文章は、退屈という厄介な感情を、この感情に無縁な人々に説明する目的で書いており、そのため論理というよりは感覚に訴求するやり方での表現が多い。そもそも退屈は気分、エモーションではなくムー…

お金が無い

お金が無い。今自由に使えるのは数千円、次の仕送りは2週間後、給料日までは1週間。それまでにバイト先までの交通費の立替だとか、バンド練習のスタジオ代もある。万事休する程では無いが、そこそこの窮境だ。序に言えば時間もない。1週間後のサークルの行事…

文体について

ここ三回の日記は然程面白くない、自分でそう思っている。固より日記など面白く書き立てるものではない。我が国の文学史上には日記文学と呼ばれる一大の作品群があるが、その発祥は当時王朝を支えた貴族が、宮中行事を始めとする職務において、己や子孫が先…

空砲(ハックルベリーに寄せて)

ここ数日は割といい生活を送っていたと思う。日曜日は体調不良で23時まで寝ていたが、翌の月曜はバッティングセンターに行ったり、大学近辺を散歩して偶然会ったサークルの友人と昼を共にしたり、ふと読みたくなった『謎の彼女X』を、貸していた友人(彼とは…

初雪

自分の歌声を録ることになったため、この頃は普段より多めに煙草を吸い、喉を焼いている。今日も寄稿曲の作業がてら昼間ベランダに出て一本二本、作業を終えて夕方三本四本と吸った。これを書き終えたらまた吸うつもりでいる。関東は台風、一歩部屋の外に出…

遷居

月末以降の引っ越しが決まった。予てよりの同居人との不和の為だった。とかく人と暮らすのには参る。生活のリズムが合わねば、騒音でまともに眠る事すらままならない。イヤフォンを貫通する話し声のお蔭で、昔好きだった音声作品すら楽しめなくなってしまっ…

Diary

ブログという形で文章を書くのは、これで四回目になる。元々は日常の雑感をそそと纏めて日記兼備忘録といった文章にするつもりだったが、生憎この自意識過剰な饒舌体の語り口のために、前三回は少々日記の枠を超えた分量になってしまったと反省している。こ…

浮き沈み

神経の慰めに即席の味噌汁を二杯、午前一時半のことである。出汁と味噌の優しい旨みと塩気、具と味噌のでろでろを溶くお湯の温かさが嬉しい。昨日は少し肌寒かった。先日の台風に伴って雨が降り続いた後、湿気と共に暑さが少し和らいだようだ。もう夏も終わ…

すみだ水族館へ

文章をブログという形式で書くのは然程簡単ではないようだ。そもそも文章を書くこと自体、コミュニケーションのいち形態である以上様々な困難が付きまとう。そこにブログという形式が加わることで、読み手が不特定多数になり、読者の想定という問題が加わる…

C101について

自分の所属するサークルから、冬コミに向けて”純愛”あるいは”愛”をテーマに文章等を寄稿するよう要請があった。中々扱いが難しいテーマである。そもそも定義があやふやで概念の存在すら明らかではない”純愛”という語を、ひとつ視点をしっかと据えて論述する…